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童話「星の王子さま」を読む

      2016/12/30

星の王子さま―オリジナル版

童話「星の王子さま」 サン=テグジュベリ

「星の王子さま」は大人向けの絵本です。
より正確に書くと「昔は子供だった大人」向けに書かれた絵本です。

物語の冒頭でもちゃんと説明されています。

『おとなだって、はじめはみんなこどもだったのだから
(でもそれを忘れずにいる人は、ほとんどいない。)』

特にその事が色濃く感じるのは、序盤の山場のシーン
である王子様と「花」のくだりの部分ですね。

この花、つまり「王子さまの特別な花」は作者の
サン=テグジュベリ自身の過去に体験した
今はもう会えなくなってしまった女性への
「想い」ですよね。それを花に見立ててるんです。

『ことばじゃなくて、してくれたことで、あの花を見るべきだった。
あれこれ言うかげには愛情があったことを見抜くべきだった。
でもぼくはまだ、あまりに子供で、あの花を愛することができなかった。』

とても「子供」に向けて書いている内容ではないですよね(笑)

そして地球に来た王子さま、
ここで「昔は子どもであった大人達」に大切なことを
教えてくれます。

『じゃあ秘密を教えるよ。
ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。
いちばんたいせつなことは、目に見えない。』

この「大切なことは目に見えない」というのは
この本の一貫したテーマですね。

王子さまはおなじ言葉を色々なシーンで
何度も繰り返します。

『でも、目では見えないんだ。こころで探さなくちゃ』

そして王子様自身も、目には見えない大切な物を
発見します。

『きみのバラをかけがえなのいものにしたのは、
きみが、バラのために費やした時間だったんだ。』

『子供達は、ぼろきれのお人形に時間を費やす。
だからそのお人形はとっても大事なものになる。
それで、とりあえられると泣くんだね・・・・』

王子さま、最後は自分の星に帰るために蛇に噛まれて
消えてしまいました。そしてサン=テグジュベリは
思います。

「あの星々のどこかに王子さまがいるかと思うと
今までと違った思いで夜空をみることができるね。」

いつまでも子供の心をもった大人は珍しい。

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